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お知らせ2019.6.29

杜の湯の不思議な物語 その5

「杜の宿」は湯本からまっすぐ上ってくる国道沿いにあります。徒歩一分のバス停の名前は「明神平」。見上げると「明神が岳」と大文字焼きの「明星が岳」が並んでそそり立っています。今では箱根火山群の中央がカルデラの陥没で落ち込み、取り残された形で「外輪山」などと呼ばれていますが、今、主峰となっている神山などが4万年前の新しいものに比べ、実に40万年前にさかのぼって形成された箱根火山群の原型なのです。

このわかりやすい絵地図を見て下さい。バスで国道を登ってきた感じではよくわからないでしょうが、「杜の宿」のある「宮城野・明神平」は古箱根火山群の内側にあるのです。前方を見上げれば箱根山主峰群の巨大な山塊があり、後ろを振り返れば屏風のような外輪山群。二つの山脈の合流する場所には芦ノ湖からなだれ落ちる大水流「早川」が轟音を立てています。そんな箱根中の山々の集める水が、一方では表層を走り下る大河川として、もう一方では、地中深く秘められた鉱泉水の湧出するポイントとして、宿のある宮城野が選ばれたのでしょう。宮城野ののどかな車窓の風景に惑わされずに、上の絵地図を見る時に、神山と明神が岳に挟まれた、この地が「水の里」と呼ばれるようになったいわくが理解できます。